ここしばらく話題になっているこれについて少しメモ。JASRAC がプロバイダ (ISP) に対して導入要請をしているという違法ファイル検知システム(らしきもの)。
「違法音楽配信の根絶に大きな前進」JASRACなどが掲示板向けに新たな対策
http://internet.watch.impress.co.jp/img/iw/docs/537/706/html/01.jpg.html
この業界でいう「フィンガープリント」は、サウンドファイルの波形からコンテンツの同一性を読み取る技術のはず。構成図を見るかぎり、このシステムでできるのは「データベースに登録されているオフィシャルなサウンドファイルと同じ( or 似た)ものかどうかを判定する」ことに見えます。
で、あちこちの資料や考察も読んでいるのですが、これでなぜ「違法か合法か」がわかるのか、どうしても理解できません。運用で使いこなすつもりなのかな?
たとえば。
「親告もしくは警察の捜査によって、違法配信をしているっぽいサイトが洗い出される」
↓
「警察が ISP に捜査協力依頼をして、当該サイト内の保管ファイルを照会する」
↓
「 ISP がこのシステムを使って音楽ファイルかどうか調べる」
↓
「このファイルが違法配信をしているものなのか確認する」
↓
「上り下りのログがひと通り揃ったところで全員摘発する」
ってパターンとか。
あるいは
「 ISP が常時このプログラムを走らせる」
↓
「アラート出たサイトをバイトくんが目視確認する」
↓
「ポルノや公序良俗に反するサイトを排除するのと同じ論理で運用する」
って使い方とか。
それとも単に、説明は曖昧にしておいて社会的な抑止力をもたせようってことかもしれませんが。
自分のファイルを一時的にサーバーに置いたりすることもあるので、いらぬ嫌疑をかけられるようなことは避けたいのですが、いまのところそれすら疑われる可能性があると思っておいたほうがよさそうに思えます。
Anonymous がガッツリ成果をあげてくれるまでは 少なくとも改正法案やこのシステムの運用形態がはっきりするまでは、妙な使い方は避けたほうが無難そうですね。
んー……。
●参考資料
JASRACのプロバイダに対する厚かましすぎる要求とは
http://matome.naver.jp/odai/2134026421388855101[用語解説] Mobile MusicID / Gracenote Mobile MusicID™
http://onluckbiz.blog133.fc2.com/blog-entry-56.html違法音楽ファイル検索のFluzoってどうなんでしょうか
http://d.hatena.ne.jp/komtarr/touch/20120606/JASRACらが「違法音楽ファイルを特定するモジュール」の導入を推進、お値段は月額5万円
http://yro.slashdot.jp/story/12/06/05/1036237/