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好き嫌い

日々の判断や決断を振り返ってみると、第一印象で感じた「好き嫌い」でほぼすべてが決まっていて、あとの理由は全部あと付けだった、ということがよくある。大きなものなら、受験や就職の志望先とか。小さなものなら、衝動買いの数々とか。

最初の直感が「好き」なら、好きになるはずの理由を意識無意識に探し、最初の直感が「嫌い」なら、その逆。そして直感を正しいものにするために、自分の中にいろんなエクスキューズを積み上げていく。「これは雨の日用」、「急な来客用」、「とっさの時に使う用」なんてタグを頭の中でつけて買っちゃったものもたくさんある。

カエサルの言葉なんだそうだけど、まさに「人は見たいものしか見ない」し、見たいものだけ見ている間にはバスケットのパス回数を必死に数える動画の壮大なオチみたいなことも、たぶん日常的に起こっているんだろう。

ひょっとしたら、世の中ってあまり論理的じゃないのかもしれない。