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「天才」のひと言では片づけない方向性で

いくつかの偶然が重なって、シカゴで活動していた Wesley Willis というミュージシャン兼画家の “2001” という作品が手元にあります。
どうにもすごいパース感で、かつよく見るととんでもなく精緻なバスや乗り物に対して人間は物凄くヘタクソ、というアンバランスにこころを飛ばされていたところ、やはりというかなんというか、schizophrenic な方だったようです。

ロンドンの道路、ニューヨークのビル群、シカゴの高速道路、海岸など。全ページ、青いボールペン一本で描かれ、前作「North Lake Shore Drive」のカラフルな作品の印象とはまた違った独特な線の魅力が伝わってくる。実際には動いている車も、競り立つビル群も単純な線の重なりで構成されていく。パースの効いた構図がページをめくるたびに、車の速さ、彼の描くスピード感を同時に感じさせる。本書は、2007年4月、スイス・ザンクトガレンのギャラリー『Kunst Halle St. Gallen』で開催された、Wesley WillisとIngo Giezendanner の合同展 “WWvsGRRRR”の巡回展となる、2008年4月10日から5月5日にエギプト・ギザにあるギャラリー、Museum of Mohamed Khalilで開催された同名展を期に刊行された。

2001 / Wesley Willis
http://artlabo.ocnk.net/product/1262

Wesley_Willis
http://en.wikipedia.org/wiki/Wesley_Willis

Daniel Johnston が “True Love Will Find You In The End” と泣きながら歌った(うえに、それをそのまま音源としていた)のを聴いた時のように、直球のメッセージを直球で投げられてしまうと、凡人の私は三半規管がおかしくなった時のような、不思議な感覚に襲われます。