トレーサビリティに社会の均質化を感じる

社会科学にはそれほど造詣が深くない私が、トレーサビリティの本を読んでて感じたこと。
トレーサビリティのキモは、生産者の製造履歴、流通者の流通履歴、小売業者の商材管理記録あたりをいったりきたりする、トレースバック/トレースフォワードを柔軟にできるシステムを構築することと理解していますが、ここであがる3者がそれぞれ適切に情報を持って商品を流通させると、世の中は本当に均質化へ向かってしまうのではないか、とおもいました。
つまり、仮に監査や認証について法整備がなされて、法令に基づいた品質管理が浸透していったとすると、日本全国全部おんなじです、という状況になりうる、と。本来、地域特性って自然発生的なものであろうと思っているのですが、それがデータ始まりなマーケティング主導になりかねない。マーケティングのフィルタをかけたところで、最終的に売れないものは売らないわけで、どっちにしても淘汰されるからそう危惧する必要もないでしょうけど、どうにも全体的にちょっと気持ち悪い。
偶然性によるトキメキやヒラメキ、という力をわりと信じているチャンスオペレーションな私は、なんとなく違和感を持って学習を続けております。